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  • 2017.09.25

トヨタがランドセルを販売?有名企業が意外な商品を開発する理由とは

トヨタがランドセルを販売?有名企業が意外な商品を開発する理由とは

有名企業が本業と離れた商品を開発・販売して、消費者に話題を提供するケースが増えています。その背景には何があるのでしょうか。また、それによって得た効果はどのようなものなのでしょうか。畑違いの商品の販売を決断した4メーカーの実例を挙げながら、その理由を探ります。

写真事業で培った技術を生かし化粧品事業に進出した「富士フイルム」

写真をフイルムで撮影するのが当たり前だった頃、富士フイルムは品質の高さで世界中に名を轟かせたメーカーでした。ところが、デジカメやスマホが台頭するようになると写真事業のニーズは激減し、大きな方向転換を迫られます。

富士フイルムにあったのは、80年以上の歴史で培ってきたナノ技術。しかも、世界トップクラスの技術であったことはゆるぎなく、これを生かした事業を模索するのが得策と判断します。

そこで目を付けたのが化粧品事業でした。

現在、富士フイルムの代表的な化粧品のひとつとなっているのが、大人用ニキビ対策化粧品「ルナメアAC」。
富士フイルムが持っていた顔認証システムを使い、大人のニキビが発生しやすい場所を特定し、内視鏡技術を応用してニキビの内部構造を解析した結果、新たな原因を発見するに至ります。
これをもとに、ナノ技術を使った化粧品開発することで、他にない製品を開発したのです。

それまで、大人ニキビの原因はホルモンバランスの乱れというのが一般的で、化粧品メーカーはその着眼点で商品開発を行っていました。
ところが、富士フイルムの研究では、肌の部分乾燥も大きな原因であることが判明。従来の化粧品では満足していなかったユーザーが、富士フイルムの化粧品を購入するようになり、今では固定ユーザーを抱えています。

オーディオ技術を応用し寿司ロボットに挑戦した「オーディオテクニカ」

1962年の創業以来、レコードの主要部品を製造していたオーディオテクニカは、CDが販売されたことによる市場の縮小に直面します。ヘッドホンやマイクロホンといったオーディオ周辺機器に領域を広げる一方、新たな主力商品の開発に着手することを検討します。

そうして誕生したのが、なんと「寿司ロボット」です。

一見、事業分野がまったく違う製品に思えますが、寿司ロボットの回転台は同社が培ってきたターンテーブルの応用です。製品化のきっかけとなったのは、1980年代前半に行われた社内のアイデアコンテスト。この時、いくつかのアイデアが製品化されています。

寿司ロボットは家庭用製品からスタートし、業務用として販売を開始したのは1987年のこと。その後のバブル崩壊で低価格のテイクアウト寿司の需要が増加し、人件費節減もテーマとなったことで販売台数が増加します。
さらに追い風となったのは世界の寿司人気です。今では50カ国に広がるまでになりました。

オーディオテクニカの成功要因は、長年培ってきた事業領域や技術領域にこだわらない発想を認めたことにあります。危機を脱するには、それまでの社内の常識を一掃し、再創業の覚悟をもって取り組むことが功を奏すという一例です。

トヨタの最高級ブランドを投影したランドセル、サントリーの熟成樽を使った家具

方向転換を目的とするのではなく、新たな領域に挑戦することで、ファンを深掘りしていく試みも行われています。その一例が、トヨタ自動車が発売した「究極のラグジュアリーランドセル」。

トヨタ自動車の最高級ブランドである「LEXUS」で使用されるカーボン素材を使用し、受注生産で対応するのが特徴です。通常より軽くて丈夫なランドセルに仕上がりますが、価格は15万円とハイプライス。

量産化を目的とせず、LEXUSのもつ最高級のイメージをそのまま他の製品に活かすことで、すでにいるファンの心を揺さぶることに成功しています。

もうひとつは、サントリーがウイスキー樽を再利用して作った家具「サントリー樽ものがたり」です。
すでにいるファンを固定化する試みとして成功した好例です。

ここで使用されるのは、50年以上、サントリーウイスキーを熟成してきた木樽。
ウイスキーの深い味わいは、こだわりの樽があってこそとの認識を上手く利用し、味わいのある家具に仕立てています。ファンにとっては、これほど個性的で差別化された製品はなく、この上ない満足感を与えてくれる逸品となっています。
家具を購入することにより、今後も間違いなくサントリーのウイスキーを購入し続けるでしょう。


消費者の購買意欲の低下と市場の変化によるニーズの減少は、これからもあらゆる分野で起こっていきます。
その時、自社で培ってきた技術を応用し新たな市場に挑戦するのか、または、新たな発想を加えることでファンを固定化するのか。

どちらの選択にも、自社の技術を活かしながら、過去に縛られない自由な発想をすることが重要であるのは間違いありません。

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